研究の歴史

ここでは多発性外骨腫症に関する歴史的な発見を取り上げ、その原因究明の歴史を振り返ります。

1995年 MHEの原因遺伝子であるEXT1がクローニングされました。これは、病因解明の第一歩と言えるたいへん貴重な仕事です。

 

 

1995年のEXT1発見以降、上記クローニングの後、EXT2(下記)を含めた遺伝子変異が、MHE患者さんから見つかってきました。

 

1998年には、EXT1とEXT2がヘパラン硫酸を合成する酵素であることが発見され、MHE患者さんでもヘパラン硫酸の異常があるのでは?と考えられている。

 

それ以降、マウスを使用したモデル動物の作成が多くの研究者によって行われてきたものの、通常の方法ではembryonic lethality(胎児の間に死んでしまうこと)のため、研究がすすみませんでした。そこで登場したのがconditional KO (cKO) systemという特殊な方法を用いて行うノックアウトマウスの作成です。EXT1のcKO作成に成功したのが私が留学していたBurnham Instituteの研究室です。この仕事は、上記EXT1遺伝子のクローニングと同様、break throughとなる研究です。

 

その後、EXT2のヘテロマウスで肋骨のみに1/4(25%)の確率で外骨腫ができるとの報告がされました(下記)が、人の表現型に比べるとかけ離れたものでした。

 

そしてついに我々の研究室からこの疾患のモデルマウスが報告されました!このモデルマウスは、この疾患の理解を深めてくれるだけでなく、今後の研究が、病因の解明から、治療薬の開発等へ大きく方向転換される可能性を持っています。

現在進行中の研究

当岐阜大学整形外科では、清水克時教授を研究代表者とした、この疾患に関する大規模な研究が始まろうとしています。本研究は、厚生労働省の難治性疾患研究克服事業の一環で、『遺伝性多発性外骨腫症の実態把握と遺伝子多型に関する基盤研究』というものです。詳しくは岐阜大学病院のホームページで紹介していますのでご覧になってください。

研究成果に関しては順次、このホームページでもご紹介させていただこうと思っていますのでご覧になってください。

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